君は花嫁
+[出会い](1/4)
満月の夜・・・
月が雲隠れし始めた頃
少女は校舎を走っていた
「はっはっはぁっ。」
心臓が五月蝿い
どうしてこんな事になってしまったのだろう
―遡る事1時間前―
私、中川ほとり(ナカガワ ホトリ)が帰る準備をしていると
「ほとりぃ〜」
と、いきなり飛びついて来たのは、親友の水野 幸(ミズノ ユキ)ちゃん
スポーツ万能でバスケ部の副部長
みんなからも人気だし、ちょっと日焼けした顔が元気な証拠
私の大親友でもある
「なっ、何かな?幸ちゃん」
「あのね、ゴミ当番変わってほしいの!!
今日塾でね…
ほら、うちの親勉強のことになると五月蝿いし、塾遅れたらどうなるか…
お願い!神様!ほとり様!変わって〜。」
両手を握りチュワワのように見て頼んでくる
うっそんな顔されたら・・・
まぁいっか、今日は用事も無いし
「いいよ、変わるよ。ほら!早く行かないと遅れちゃうよ!」
「本当!!有難う!ほとりホントにごめんね、今度何かおごるし!!じゃっ!またね。」
そう言って幸ちゃんは、足早に教室を去って行った
「さて、頑張りますか!」
一人教室に残された私は、ゴミ箱を持ち歩き出した。
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