Wink
◎[ご、ごはん!](1/9)
そして石村くんとお昼ごはんを食べると約束した火曜日。

葉菜は珍しく、授業そっちのけで考えごとをしていた。

ん−…石村くんとごはん。

ごはん。

ごはん。

ごはっ…。

寝ていた石村くんが突如、むくっと起きて眠気なまこの顔のまま、目をこすりながら葉菜をじっとみつめてきた。

ごはん…。

石村くんとごはん。
なんか、顔が熱い。

「お、おはよう。」
とりあえず黙っていたらおかしいかなと思って、石村くんに話しかけてみた。

「ん、…え?俺寝てた?」

…え?
寝てたよ…?

「ええ…寝てましたけど。」

思わずビックリしてお嬢様言葉みたいになってしまったけど、自覚なしですかっ。

ガタガタッと横から聞こえて、どうしたのかとおもったら石村くん、焦って教科書とか筆箱とかぜ−んぶ落としてた。

葉菜は思わず、くすくす笑ってしまった。笑いながらも自分のほうに転がってきたシャーペンだとか消しゴムを拾ってあげる。
「恥ずかしすぎだろ−、俺。」

そう言いながら机につっぷした石村くんはとてもかわいかった。

それから4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴っていよいよ、お昼休み。

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