Ｗink

◎[家](1/18)

｢早かったのね。｣

そう由乃に声をかける。

今日は一緒に帰ってもいいかな、って思えた。

桜木学園に行くということを由乃に話したとき、彼女は行かないでって懇願してた。

それでも、桜木学園に来てしまったものだから由乃には悪いと思ってる。

｢うん。葉菜は部活行ってきたのでしょう？どうだった？｣

｢ええ…まあ。本格的だったわね。本当に。｣

さすがに､有名漫画家がいただなんて話せない…。

｢そう。好きなこと見つけられるといいわね。｣

由乃がそう言ってほほえんだ。
私もつられて、"そうね"と言ってほほえみ返した。

なんだかんだ、私たちはうまくやってる。

桜木学園に入学するって私が言い出したとき、由乃と大喧嘩した。

おかげで､いままでお互いに積もり積もった思いをぶちまけることができたし、今じゃお互い違う環境にいるからかよく話すようになった。

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