202号室、僕の部屋
[悲哀。](1/8)



ガチャ、と自分の鍵でアパートのドアを開ける




靴は無いし、鍵はポストから少しはみ出し気味で入っていた。







一息ついて、荷物を玄関から部屋へ運ぶ。


















寝室のドアを開けた、

本当にその一瞬の出来事に感じたくらい。







……〜っ!







油断していた。

迂闊だった。

どうしよう。

痛い。












悠真が、いた。



そしてその悠真に思い切り何かで殴られた。








鈍い音の次に、私が床に倒れる音。










痛い。









「凜、おかえり」




倒れ込んで痛みにくらむ視界に映った悠真は


笑顔で私にそう言った。









待ってたんだよ、と次に発した言葉には

狂気しか感じられず、




ただただ痛みが引くのを待つ事しかできない。














うつ伏せの状態から仰向けにひっくり返され

馬乗りの状態になる悠真。










「凜は、俺のことなんて、

どうでもいいかもしれないけど



俺は、凜のこと大好きなんだよ。

わかんねぇの?。



なんで心配させるようなことすんだよ」







1人で呟くようにいう悠真の声は徐々に

怒りの色に染まっていく。





















「聞いてんのか?」




まず一発。



右の頬が痛い。















どうでもいいや。







何発か殴られた時に、

口の中で血の味がする。













馬鹿みたいに、死ぬのかな、なんて考えて





こんなクズに殺されちゃうのか、とか

思ったり。












どうでもいい事しか考えれなくなって、


徐々に意識が遠くなっていった。






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