美醜
[第2章](2/31)


ミナトちゃんが走って行った
事務所へ私もむかう。








「ねー!いーじゃーん!
いこーよー。」


「ミナトうるせー。

行かないって
言ってんだろ。」


「なんでなんでなんでー!」


「だからうるさいんだっつーの。」







扉を開ける前から聞こえる会話に
思わず苦笑いを浮かべる。






「お疲れ様です。」





そう言い、事務所へ入ると
制服から着替え終わった
藤岡くんと
藤岡くんの服を掴むミナトちゃん

それから店長さん

あと他のアルバイトさん2人がいた。





店長さんとアルバイトの2人
吉田さんと加藤さんは
お疲れ様と挨拶を返してくれ






「お疲れ。

ねえ、こいつどうにかして。」





藤岡くんはそう言った。






「マコ聞いてー!

ミナミ酷いの。
疲れてるのにお前みたいな
うるさい奴と飲んだら
さらに疲れるとか言うの!」


「そ、そっか....」




藤岡くんらしいと言えば
藤岡くんらしい返答だ。



掴んでいた服を離し、
わたしの元へ来て
そう訴えるミナトちゃん。









「ミナミなんていいよーだ。

マコ、ふたりでいこ!」



「うん、そうだね。」






あっかんべーと舌を出す
ミナトちゃん。

子どもみたいな行動も
彼女がやると、とても可愛い。





「...北原さんも行くの?」






私たちのやりとりを
聞いていた藤岡くんが
そう聞いてきた。





「うん、行こうかなって。」



「ふーん。

ちょっと待って。」




私の返答を聞き、彼は携帯で誰かに
連絡をとり始めた。






「マコ、どこで飲むー?」


「どこがいいかな。
この間行ったところは?」


「あそこ良かったよね!
あそこにしよっか。」


「へえー。おふたりさん
すっかり仲良しだね。」




私とミナトちゃんの
会話を聞いていた店長さんが
言った言葉に

私は少し照れくさくなる。





「めっちゃ仲良し!」



そう言って、私の腕に
自分の腕を絡める
ミナトちゃんは

ふわっと良い匂いがする。



ーこの匂い、
藤岡くんと似ている。




フと思ったが、
ミナトちゃんの言葉が嬉しくて

そんなことすぐに忘れた。









その時、藤岡くんの携帯が
振動し、メッセージの
受信を知らせる。




気怠げにロックを解き
メッセージを確認した藤岡くんは




「やっぱ俺も行く。」






そう言った。






「え、本当!?

わーい!」




藤岡くんの言葉を聞き、
ぱぁっと表情の明るくなる
ミナトちゃんは

その喜びを隠すことなく
言葉にしていて




そういう素直さが
可愛らしさが

この子の魅力なのだと思った。























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