お兄ちゃん、だめ…
*[本当は私‥](1/11)
「未央‥。渚が」
「…うん」
お兄ちゃんも学校の先生か友達から聞いたのだろう。
お兄ちゃんの鼻が少し赤くなっていた。寝不足なせいもあるかも知れないが目も赤い。
もしかして泣いたの…?
お兄ちゃんは続ける。
「…なんで渚が‥!」
声だって震えていて。
だけど、私はそれが演技かかった芝居にしか見えなかった。
私はお兄ちゃんをじっと見つめながら尋ねる。
「渚を、家まで送っていったの?」
「あぁ」
「でも、お兄ちゃんは朝方帰ってきたじゃない。渚とどこかに行ってたんじゃないの?…そういうことも含めて私達は警察に説明しなきゃいけない。ね、だから今から警察に行こうよ、お兄ちゃん」
「え……」
お兄ちゃんの瞳が動揺して揺れたのを私は見逃さなかった。
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