逃げないと犯される
[4日目 つかの間の休息](1/10)

AM8:24

虎太郎「・・・・・・・・・(もぐもぐ)」

風香「・・・・・・・・・(もぐもぐ)」

虎太郎「瀬川さん、塩コショウください」

風香「はい、どうぞ」

虎太郎「どうも」

虎太郎「・・・・・・・・・(もぐもぐ)」

風香「・・・・・・・・・(もぐもぐ)」

風香「あの・・・相原さん?」

虎太郎「なに?」

風香「機嫌、悪いんですか?」

虎太郎「そんなわけない」

とか言ってるけど、朝起きてからずっとムスってしてますよ。
昨日といい、一昨日といい落ち着かない日があったから疲れているという訳ではない。

多分彼は普通の生活が出来ていないことに不満があるのだろう。

突如現れた渋谷という男の子にほぼ強制的にこの怪奇現象の解決への協力をさせられて、ましてや行先場所がここから800kmもあるところに位置してると聞いてから、ため息ばかりしている。

それは今日の朝起きてもずっとだ。

虎太郎「・・・・・・・・・(もぐもぐ)」

風香(日が経つにつれて機嫌悪くなってないですか?)

風香「相原さん、もしかして私、邪魔ですか?」

虎太郎「うん、邪魔」

風香「そこまでストレートに言いますか?」

そこはそんなことないよっていうところじゃないですか?

風香「それなら私、出ていきますよ」

虎太郎「どうぞー」

風香「・・・。少しは止めようとかしないんですか?」

虎太郎「おう、だってどうせ出ていく勇気ないやろ?」

風香「うっ・・・・・・」

図星なんですけど。

虎太郎「確かに邪魔とは言ったけど、出ていけとは言ってない」

風香「なんですか、その屁理屈」

虎太郎「大人は屁理屈を言うものなの」

風香「相原さんまだ、成人式迎えてないじゃないですか」








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