とりあえず一緒に住みました
○[13](1/17)





………―――――――




「花蓮ちゃん」




いつからそうやってあたしを呼ぶようになったんですか。



そしてあなたはなぜいつもいるんですか。



誘っていませんよ。




「あーついに、そうやって呼ぶようになって木戸先生、本当に花蓮の事諦めないですね」



「俺は絶対諦めないよ、諦めの悪い男だからね」



「いや、諦めてください
そしていつも通りの呼び方に戻ってください」




今日は莉奈と飲む予定だったけど、急遽多嶋も暇だったので誘った。そして少し仕事が長引いてしまって遅れて店に到着したら、木戸先生がいた。



同じくらいの時間まで病棟にいたはずなのに。




「花蓮ってつくづく大変だな」



「わかるでしょ?だから木戸先生とあたしっていう面白くないこと考えないでね」



「あぁ、もうやめとく
お前と木戸先生は似合わないわ」



「ちょっと、多嶋くん?今の聞こえたよ?
なんで似合わないの?」



「いや、なんか花蓮が



「失礼だな、君は
こんなにも花蓮ちゃんを思っている男なんて俺だけだよ?」



いやいや、勝手に決めつけないで。



そうかもしれないけど、あなた自身あたしをそんなに思っていない。



「まぁまぁ、木戸先生
花蓮を追いかけてもう3年くらい経ちますよね。その期間どのくらいの方と付き合いました?」



「え、ちょっと意地悪な質問するね。花蓮ちゃんちがうんだよ?」



「楢崎ちゃんって呼び方戻してください」



「もう〜、最近君たち俺の扱いひどくない?」




いやなんか、こんなにいつも酔っぱらっていたりふらふらしている感じをみてしまうと。



莉奈と多嶋で思わず目を合わせて笑う。



それでもこの間のことは誰にも話していないようで、意外と木戸先生にもいいところはあるんだと思う。









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