-オフィスラブ(1/10)
犬村「笠井、黒夜。お前達は鷲宮達を救いに行け。この女は.....」
俺が引き受けた。
笠井「・・・・っ!お前.....」
小刻みに震える足と
額に滲む汗。
誰が見ても犬村の様子はおかしかった。
黒夜「犬村....まさかお前.....さっきの”薬”が.....」
笠井「・・・・・・・・・・っ」
さっきの.....”人間に戻る薬”。
犬村は確かに言った。
アレは.........”
劇薬”だと。
犬村「ふん.....2度使えば間違いなく俺は.....」
笠井「俺は.........何だよ.....」
錆金「な〜〜〜〜〜〜〜〜によぉ。死に損ないの相手しても退屈なんですけどぉ〜〜〜♡」
犬村「死に損ないかどうかは戦えばわかるさ。・・・・さぁ...笠井、黒夜。早く鷲宮達を...」
笠井「・・・・・・・・・・・」
犬村「どうした。何をしている。早く......」
黒夜「いや.....その鷲宮なんだけど......
あそこに......」
犬村「ーーーーーーーー何だと?」
廊下の先に息を切らしながら立っていたのは
笠井「・・・・・・・・・・・鷲宮さん?」
・・・・・何で、ここに。
鷲宮「はぁ....はぁ.....!か、笠井.....!」
やっと......やっと会えた......!
錆金「な〜〜〜〜〜〜〜〜んで鷲宮がここにいるのぉ?意味わからないんですけど〜〜〜〜〜〜〜♡」
背後でそれまで黙っていた錆金が
漆黒のドレスからナイフを取り出した。
笠井「ーーーーっ!鷲宮さん!!
逃げて!!」
鷲宮「ーーーーーーーーーへ?」
錆金「は〜〜〜〜〜〜〜〜〜い♡
1名死亡♡」
一本のナイフが
鈍い光を放ちながら
宙を舞う。
鷲宮「・・・・・・・・・・・っ!」
あぁ....笠井。
何やってんだよ、笠井。
俺は.....彼女を守る
ヒーローにはなれないのか?
ドスッ
鈍い音が廊下に響き
犬村「ーーーーーーーーーくっ!」
錆金は歪んだ笑みを浮かべ
胸に深々とナイフが刺さった犬村が
ゆっくりと崩れ落ち
俺は
マヌケな表情で
ただ、それを見つめていた。
P.57
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