俺はただ後輩ともっと仲良くしたいだけ。




-歯車が廻り出す(1/7)

ー株式会社ラブ&ピース


笠井「よし、着いた。じゃあ俺は商品開発課に行ってくるから」


鷲宮「わかった。私はDSをやっていればいいんだな?」


笠井「違うよ。鷲宮さんは課長に報告。わかった?」


鷲宮「ちっ。へいへい、わかりましたよー」


悪態をつきながらクレーム処理課へと戻っていった鷲宮さんを見送り

俺は問題児枠の1人、黒夜 妃の属する商品開発課へと向かったのだった。













が。











笠井「・・・・・・・・・・・・」


・・・・何で、またコイツが。



ピンクのドット柄のパジャマ。

大量の資料とボロボロのクマのヌイグルミ。

トロンとした瞳の少女がそこにいた。



大釜「・・・・む?確か君は.....かさ....ボブ?


笠井「笠井だよ。誰だよボブって!しかも今お前「かさ」まで言いかけてたじゃねぇか!」


俺はコイツと一度会っている。


名は”大釜 洲夜

ここの社員なのかすらわからない存在だ。



笠井「悪いがお前と話をしているヒマはないんだ。ちょっと行かなきゃならん場所があってな」


その言葉に対し、大釜は小さくアクビをした。



大釜「ふぁぁ....私も雑談する程ヒマではない。やらなきゃならない仕事が山程あるのでな...」



だが、と大釜は続けた。



大釜「一つだけお前に伝えておこう」


笠井「あ?何だよ」




大釜「鷲宮と....”残り少ない期間”を大切に過ごせよ」



笠井「・・・・・・・・・・・・」



・・・・・・・・・・・・は?


何だそれ?どういう.....



大釜「じゃあな。また会う機会があれば」


ヨタヨタとフラついた足取りで去ろうとする大釜を俺は呼び止めずにはいられなかった。



だってそうだろう?




何なんだよ、さっきの一言は。


残り少ない期間?



それってまるで......



笠井「お、おい!ちょっと待てよ!さっきの”残り少ない期間”って何の事だ!?お前は....何を知ってるんだよ!


俺の呼びかけに、大釜はフラついた足をピタリと止め

こちらをゆっくり振り返ると













大釜「欠陥品計画



















笠井「・・・・・・・・欠陥品....計画?」




大釜「”アイツら”は、その計画の歯車なんだよ」



不敵な笑みを浮かべながら

彼女は、そう呟いたのだった。




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