-大きく深呼吸を。 ( 1 / 4 )
木々「泣くなよ。全くもう」
宮野「だって...だってぇ...うぐっ」
一度溢れ出た涙は止まることを知らずに
私の両目から流れ続けた。
木々「ほら。涙拭いて」
木々が困った顔をしながらハンカチで私の顔を拭う。
宮野「だって...
また1人になっちゃう」
そう。
私はそれが怖かった。
今まで誰とも関わらずに生きてきた私にとって
1人で居ることは当たり前になっていた。
私が泣いても、誰もその涙を拭ってくれなかった。
けれど。
私はこの男と出会ってしまった。
涙を拭ってくれる相手を見つけてしまった。
それを知ってしまった瞬間。
私は1人になることが怖くなった。
宮野「やだぁ...1人になりたくない...」
木々の制服を掴む。
その手を木々は優しく握った。
木々「1人じゃない」
宮野「・・・・え?」
木々「お前は、1人でも生きていける。俺と話してる時の宮野は
凄い輝いてた」
宮野「・・・・」
木々は私の頭を撫でた。
木々「な?・・・・だから、大きく深呼吸してみ?」
私は木々に言われた通りに深く息を吸った。
屋上に吹く風が私の中へ入ってくる。
宮野「・・・・何か、落ち着いた」
木々「だろ?大丈夫。
俺はお前の側にいる」
そう言って木々はニカッと笑った。
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