バイオハザード 〜MIYUKI〜
[スクールバトル](1/6)
「はぁ、はぁ、・・・先生、大丈夫?」
「平気よ。古賀さんは?」
「ちょっと疲れたけど、大丈夫です。」
美由紀と川本は、職員室の壁に寄りかかり、一息ついていた。会議室を出てから、走りづめだったのだ。しかも、得体の知れない何者かを相手にしながらだったから、精神的疲労も大きかった。
「二組の青木君、四組の片山さん、それに田所先生・・・」
川本が独り言の様に言った。それは、ここに来るまでに出会った生徒や教師の名前である。彼等は笑顔で挨拶をしてくる代わりに、血の混じった唾液を滴らせながら、彼女らに襲いかかって来たのだ。
川本は、やみくもにモップを振り回した。だが、恐怖のあまり、目をつぶっていたから、当たるハズがなかった。
美由紀は現役の剣道ガールで、有段者であった。たちまち彼等を斬り伏せたが、竹刀では大したダメージにならないらしく、二度三度と打たれても、彼等は向かってきた。
戦うことが目的ではなかったから、美由紀と川本は、その場から逃げ出した。幸いにも、異常者達・・・他に適当な呼び方がないので、そう呼称するが、彼等は素早い動きや、激しい動きは苦手なようで、たちまち二人に振り切られた。
会議室から職員室までは、直線距離にしても八十メートル足らず。それなのに、やたらに長く感じた。職員室にたどり着くと、二人は中に飛び込み、東西の出入口を施錠して、ようやく一息つけたのだった。
「私達を見て、襲いかかってきたわ。恐ろしい顔で。」
川本は両腕を抱えて、体を震わせた。少なからず動揺している様に見えた。
「・・・思いきり撲ったのに、全然効いてなかった。痛みを感じないのかな・・・」
と美由紀は言ってから、竹刀に視線を落とした。突きには自信があったし、完璧に喉元を捉えた。手応えはあった。なのに、相手は一旦、体を後ろへのけ反らせただけで、何事も無かったように、再び向かってきたのだ。
「古賀さんは休んでいて。先生、校長室を見てくるから。」
と川本が言った。校長室は職員室と、ドア一枚で繋がっている。
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