調教師の夜V
[思い出の地で](1/35)

『ほぇ〜、大きなお屋敷ですわね!さすが、海里様のお屋敷だけありますわ!』


興奮ぎみの穂乃香さんは、両手を前で組んで、目をうるうるさせている。


『こら、穂乃香!うちも、一応高槻家由縁の屋敷なんだけどな?』


伊吹さんは、穂乃香さんの頭をコツンと軽く叩いた。


『あっ…すいません!そうでしたね…』


そうでしたねって……。


天然キャラらしい穂乃香さんを、あたしは苦笑しながら見る。


でも、確かに大きい…嫌、大きすぎじゃ?


迷子になっちゃうかも…。


『お帰りなさいませ!愛理ちゃん、無事で良かったぁ〜!!』


えっ!?


『会いたかったよ!!子猫ちゃーん!!』


ひゃぁぁぁぁ!!


屋敷の中から、メイドさんと、軽そうな感じの男の人が、同時にあたしに飛びつきて来た。


な、な、何!?


何事!?


って、あなたたちは誰ですかぁ!?


『こら、莉奈、祐斗。愛理がびっくりしてるだろ。いい加減、離れろ!!』


突然の大歓迎を受け、固まってるあたしから、翔磨さんは2人を引き剥がす。


び…びっくりした…。


だ…誰なの!?


『愛理。オレの専属メイドの莉奈と、海里のいとこの祐斗だ』


翔磨さんが、それとなくあたしに説明をしてくれた。


『し…翔磨さん?』


『何、説明なんかしてんだよ』


2人は、納得いかない様子で翔磨さんを見ていた。





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