一TO十 ふたりの教育者
#[疑心暗鬼](1/13)
二つの意見は、静まる余地もなく拮抗する。

葉実、狸霧、豹那の三人が口裏をあわせている
そんな考えが出るのではと、葉実も思っていた
だが、実際突き付けられるのはとても辛い

葉実は、琥珀色の目を見開きながら川口を見つめた
川口から紡がれた最悪の仮説は、酷く葉実を揺らがせる


「川口さん…
自分は…」


葉実は、言葉を最後まで紡げなかった
葉実の目前に、跳ねた茶髪が映る
知っている、この人物を


「テメェ、言っていいことと悪いことの区別ぐらいつけろや!!」


浅川だ―――
葉実を背に庇い、浅川が川口に憤っている

一度灯った憤怒の炎は、消えてはくれない









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