一TO十 ふたりの教育者
#[名残](1/20)
各校集結! 豹那主将、御剣主将と仲良くね。

大型バスの運転手と部員の荷物を積み終えた豹那は
水なしで飲める酔い止めを胃に流し込み颯爽と乗り込む
其処には、既に席に着いている部員と魔駒路共同庭球部レギュラーがいた
魔駒路の主将、三年の畠山 優介<ハタケヤマ ユウスケ>に会釈し、空いている席を探した


「豹那、こっち座れ」


深緑の髪の青年が言う
豹那の幼馴染、中森 礼鬼<ナカモリ レイキ>だ
豹那が頭を悩ませ弁当を作らざるをえない理由の一人
少年のように可愛らしい童顔だが
身長はかなり高く体を包む筋肉はとても厚く堅い
自らの隣の席に置いている荷物をどかし、豹那を見やった
恐らくはそうやって隣の席を確保したのであろう


「中森かぁ…」


確かに、他にあいている席もなさげだ
自分が席に座らぬ限り、バスも発車できない

それに、中森の誘いを断り奇跡的にあいている席に座ろうものなら
彼の機嫌が悪くなるのも必須
中森は異質とも言える程豹那に執着し、高すぎる独占欲を持っている
独占欲が高いのだから、嫉妬心の高さもそれに比例したものだ
彼の機嫌を直すのは、豹那でも半日はかかる

触らぬ神に祟りなしだ


「じゃあ、そうするわ」

「おう」








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