駆け込み探偵
[大きくなる騒動](1/14)
「取り敢えずこの報告書に簡単に目を通して見て。」
そう熊耳さんに促されパソコンに目を向ける。
3人と少し後ろで1人、計4人で一つのディスプレイを見ているのでとても狭く見辛い。
しかも飯沼さんやマリサさんの読むペースが早い。
俺も2人と同じペースで読めてますよ、と言う雰囲気だけは出しているが実際の所殆ど流し読み状態だ。
元々難しそうな報告書なのにこんなんじゃ大まかな事しかわからなさそうだ。
でもそれでもこの報告書の内容の重大さ、これを通して周治が俺に伝えたかった事はわかった気がした。
報告書の内容は俺の想像をゆうに超え、遥か上から高らかに笑っている程だった。
俺ではとても対処しきれないほど深刻で切羽詰まった問題だった。
皆が読み終え困惑からか互いの顔を不安げに覗いているとそれまで静かに待っていた熊耳さんが声を出した。
「みんな読み終わった…かな。」
その声にまだ困惑しているような飯沼さんはぶつぶつと呟いた。
「そんなこと…いやでもこれがもし本当に事実だとしたら…」
飯沼さんが言った言葉に付け加えるように熊耳さんは言った。
「これが本当なら日本国内史上最悪の航空事故が起こる。」
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