駆け込み探偵
[変人だらけの事務所](1/13)


明け方俺はポットで湯を沸かす音で目を覚ました。
昨夜は夢を見る暇もなく寝たからか、目覚めは良好だった。
体を起こすともう既に起きていた飯沼さんが湯を沸かしていた。
飯沼さんは俺に気付くとマグカップを手渡した。
マグカップの中身はホットミルクの様だ。
熱すぎず人肌程度に温まっている。

「朝一に牛乳を飲むと胃の調子を整えてくれるし、牛乳に含まれるカルシウムはリラックス効果もあるんだよ。」

と説明してくれた。
こうやって熊耳さん抜きで、飯沼さんと一対一で話すのは初めてな気がする。
思わず緊張してしている俺に飯沼さんが話しかけて来た。

「こうやって落ち着いて話すのは初めてだよね?」

「あ、そう言えばそうですね。」

「ごめんね。ここまで熊耳さんにつき合わせちゃって。」

「え、いや全然!こうやって誰かと遠出するの久しぶりなんで楽しいですよ。」

「そう言ってくれると助かるよ。」

ここで会話が途切れてしまった。
焦った俺は脳をフル回転して会話を探した。
だが考えれば考えるほどに昨日から気になっている疑問が口を付いて出てきそうだった。
自分の会話力の無さに頭を抱えていると気を利かせてくれたのか飯沼さんが話を振ってきた。

「そう言えば仲谷さんって

「普通に拓磨で良いですよ!俺の方が年下なんですから!」

「じゃあお言葉に甘えて
拓磨君はどうして警察官になろうと思ったの?」




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