駆け込み探偵
[1 不幸の始まり ](1/28)


俺の名前は仲谷 拓磨(なかたに たくま)
短期大学を卒業したのち警察官採用試験に合格。
警察学校も終え、今は念願叶って警察官として仕事をしている。
警察官となった俺は、凶悪犯罪者と闘いながら日々巻き起こる様々な難事件を華麗に解決している!






という妄想をしながら俺に延々と世間話をしている千代婆ちゃんの話に適当に相槌を打っていた。
警察学校を出てすぐに俺は東京郊外にある小さな田舎町の交番に勤務する事になった。
俺の勤務する町は平和で、主な仕事といえばお喋りがしたい近所のお年寄りの話し相手になってあげる事ぐらいだった。
今目の前で楽しそうに話をしている千代婆ちゃんは常連で、よく野菜や果物の差し入れを持ってきてくれる。
今日は蒸し暑い夏日ということで庭で取れたスイカを持って来てくれた。

別に今の仕事に不満があるわけではないが、小さい頃から刑事になる事が夢だった俺は早く本庁勤務の刑事になろうと焦っていた。

犯罪が殆どおきないこの町で犯人を捕まえて名を上げるのは難しい。
そのため俺には日々の交番の仕事を率先してこなし、武道場で剣道や柔道の腕を磨き、体力を増やし筋肉を付ける。そう言った日々の努力を続けて刑事課の人に声をかけてもらうのを待つしかなかった。

そんな日々を続けて早3年。
早い人では3年で刑事になる人もいるらしい。
この年が俺にとって勝負の年だ。
















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