調教師の夜U
[調教師の夜U海里編](1/38)
『……う……ん……』
あたしは、ゆっくりと目を開けた。
ここは…どこ…?
ある部屋の一室に、あたしはソファーの上に横たわっていた。
どうしてここにいるのかが理解できない。
だってあたし、身を投げようとしていたはずなんだもん。
そうよ。
あたし、身を投げようとして、そしたら誰かに腕をつかまれてー…。
その後の記憶がない…。
気がついたら、ここにいて…。
『………………』
『……………』
部屋の向こうのドアから話し声が聞こえる。
あたしは、そっとドアに近づいた。
『翔磨さん、それ本気なんですか?そんな事…』
『本気だ。海里がどうするかが見ものだが、保証はない』
『で、でも…』
『莉奈、これはオレの仕事だ。お前が口出すべき事ではない。仕事に戻れ』
『…は、はい』
何?
何の話?
ガチャー……。
ドアが開いて、一人の男の人が入って来た。
『気がついたようだな』
『……あ、あの…ここは…?』
『お前の命、オレが預かろう』
えっー…?
考える間などなく、あたしは彼に押し倒され、ソファーに倒れ込んだ。
『…あっ……いやっ…』
抵抗虚しく、彼に裸にされたあたしは、恥ずかしいのと怖いのとで体が震える。
彼の唇があたしの胸に触れ、手は内股をすべり、秘部を優しく撫でる。
『……んっ…や、やめて…いやっ……あっ……いっ…いたっ……』
彼の指があたしの中を入ろうとした時、急に痛みが走った。
『やはり、まだ未経験だな』
彼はそう言うと、ポケットから、何か薬みたいなものを取り出し、一粒あたしの口の中に入れた。
ゴックンー……。
『お前には悪いが、海里のメイドになってもらう。運がよければ、精神崩壊はしないだろう』
『……あっ……』
体が軽く痙攣した後、力が入らなくなり動けなくなったあたしに、彼は言った。
『お前が飲んだのは、体が動かなくなるとともに、媚薬でもあるものだ。苦痛は伴わない。お前なら、もしかすると、海里を……まぁ、いい』
何を言ってるの?
海里って誰?
ここはいったいどこなの?
あたしは、何のために連れて来られたの?
何一つわからないまま、あたしは彼に抱きかかえられ、ある部屋に連れて行かれた。
そこは、暗くて見たこともない道具が沢山ある部屋だった。
あたしは、部屋の中央にあるわずかなベッドに裸で寝かされ、白い布を体にかけられた。
『もうすぐ海里が来る。それまで待っていろ』
彼はそう言い残すと、部屋を出て行った。
逃げたいのに、体が動かないから逃げられない…。
海里って、いったいどんな人なんだろう…。
あたしは、どうなるんだろう…。
不安を抱きながら、あたしは海里が来るのを待つしかなかったー…。
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