ただこの一瞬を生きたくて
●[崩壊](1/14)

翌日ーーーーーーーー

授業中もまるで上の空だった。

『死』って今まで生きてきて真剣に考えた事もなかった。

ニュース中を見ていると毎日誰か死んでいて、身内に死ぬ人もおらず、受け止め方を分かっていなかった。




「…香、明日香」

「ぇ…ぁ、はい」

急に我に返り返事をした。

涼と一緒にいる事さえも忘れていた。

「今日、放課後いい?」

「うん、部活終わりだよね?教室で待ってるから」

「いや、今日は部活休むからHR終わったら教室まで迎えに行く」

「待ってるね」

部活を休むなんて、バスケ馬鹿の涼からは考えられない。

どんな話なのかそわそわする。
もしかして優生の事はキチンと行く前に話したけど、遊園地で誰かに見られたのかな?
放課後までがすごく長く感じた。

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