「はぁ?あり得ない!まさか男できたの隠してる?」
怒ってんのか、興味深々なのか、どちらともとれる表情で、ナミはあたしにズズッと顔を近付ける。
「顔。近すぎだから。寄るな〜ッ!」
ごめん!
近すぎるナミには、正直耐えられない。ナミの彼氏をある意味尊敬できるよ。
あたしじゃ無理だ。
「なんか隠してるっぽいよねぇ?」
「ないない。何もないです。」
もう、あたしに何か吐かせたくてたまんないって?
話せるわけないじゃん?
「ふぅん。まぁいいけどぉ。男いないなら、あさって絶対だかんね?」
「用がなければね。」
「男いないんだから、用なんてないじゃん!唯もほんと焦らないと化石になるよ?!いまどき“処女です”なんて、貴重でもなんでもないんだからッ」
ナミは、得意げに鼻息荒く語ってるけど、……いつあたしが処女だと言いました?
たぶん、あんたより場数踏んでるんじゃね?
とは、言えないけどね。
「あははは」
とりあえず、笑っとけ。
「んじゃ、早めに返事ね!」
ナミの声と同時にチャイムが鳴った。
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