一蓮託生
Z [唯
](2/16)

「はぁ?あり得ない!まさか男できたの隠してる?」


 怒ってんのか、興味深々なのか、どちらともとれる表情で、ナミはあたしにズズッと顔を近付ける。


「顔。近すぎだから。寄るな〜ッ!」



 ごめん!

 近すぎるナミには、正直耐えられない。ナミの彼氏をある意味尊敬できるよ。


 あたしじゃ無理だ。



「なんか隠してるっぽいよねぇ?」



「ないない。何もないです。」



 もう、あたしに何か吐かせたくてたまんないって?


 話せるわけないじゃん?



「ふぅん。まぁいいけどぉ。男いないなら、あさって絶対だかんね?」


「用がなければね。」


「男いないんだから、用なんてないじゃん!唯もほんと焦らないと化石になるよ?!いまどき“処女です”なんて、貴重でもなんでもないんだからッ」



 ナミは、得意げに鼻息荒く語ってるけど、……いつあたしが処女だと言いました?


 たぶん、あんたより場数踏んでるんじゃね?



 とは、言えないけどね。



「あははは」


 とりあえず、笑っとけ。



「んじゃ、早めに返事ね!」

 ナミの声と同時にチャイムが鳴った。


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