一蓮託生
Y [真実
](3/36)

 とりあえず…。



 腹減った…。



 テーブルの上にはラップされた野菜炒めとご飯、それと…これはごま和え?メモには“冷蔵庫にサラダがあります”と書かれている。



 温めチームをレンジに入れてスイッチを押す。冷蔵庫からサラダを取り出して、レモンのドレッシングをかけた。


 そうこうしている間にレンジ組が温まったのでテーブルに並べて1人席についた。



『いただきます』



 シーンと静まり返る1人の食卓。



 男だからさ、そんなことは平気なんだけどね。でも、少しだけ、寂しいと思うんだ。

 引っ切り無しに話す理緒の声、佳奈の笑い声、食器が立てる様々な音…そういう夕食が、いいよな…。



 明日は、早く帰ってこよう。ケリはついてないけど、明日は佳奈の話も聞いてあげたいし。



『ご馳走さまでした。美味しかった。』



 ブツブツと呟く俺は、ハタから見たら怪しい奴だろう。



(美味しかった?良かった!どういたしまして!)



 心の中で佳奈の声を聞きながら、食器を洗い終えた。




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