聖の白く綺麗な肌が、俺の手によって 青白く、冷たく、赤くなっていき 込み上げる高揚を隠せない。 完全に息途絶えた彼女の、開きっぱなしの瞼を優しく閉ざしてやる。すると聖が微笑んだように見えた。 「綺麗だ……、聖…」 やっと手に入れた、俺だけの聖。 目を閉じて脳裏に思い出すのは 聖の恐怖に歪んだ顔、聖の血を見て怯えた顔、聖の精神から崩壊した悲痛な顔。ああああああ聖聖聖聖聖ひじ、聖、ヒジリ聖聖聖聖、聖ひ聖聖ひ聖聖聖!聖聖ヒジリ、聖聖聖聖聖聖聖ひじりひジり聖聖聖聖聖!!!!!! 「ヒジリ」 ――――どうして君は 死んでもそんなに美しいんだ。 元から白い肌はさらに青白く 染まり、胸から溢れる鮮血との コントラストが輝いて見える。 前髪にへばり付く 汗で濡れた髪すら愛しい。 閉じた瞼から頬に伸びる 長い睫毛。綺麗な曲線を描く頬。 目の前に横たわる自分だけの美しい死体に、欲望が目覚めるのが分かった。 「あぁ…、聖…」 … ペロ と、ヘソの辺りを一舐めすると、冷たい汗と柔らかい血の味がして止まらずにもう一舐めする。 しばらく聖の体を堪能した後、 ふと思い出した。 「ああごめん…聖 俺も今、逝くから…」 今ごろ、一人ぼっちで 淋しがっていることだろう。 彼女の体に刺さっていた ナイフを抜き取ると 鮮血が俺の体を濡らす。 それにすら綺麗だと感じて 息が荒くなった。 そして、思いっきり 胸の中心に刃物を突き刺した。 「………っは、」 痛みは無い。早く聖の元に… 逝かなければ… そして、それをまた引き抜く。 水まきしたような鮮血が溢れだし 部屋中に散らばっていく。 抜いたナイフをベットから 放り投げた。 このベットには俺と 聖以外の侵入は許さない。 体を聖の方に倒す。 冷たい体の感触に、安心した。 「ああ…、今…いく、ね…」 聖の指を探り、 恋人のように絡める。 カランと金属音が部屋に 響いたのを聞きながら思った。 ――これで完璧に 彼女の愛を手に入れた… 満足感と高ぶる性欲しか、 そこには存在しなかった。 |
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