読みきり短編官能小説


いつもより激しい(1/3)


ペタっとおでこに冷たい感触があたって、そっと目を開けると、心配そうな不安そうな顔で俺のことを見つめていた花子と目が合った。


「ごめんね。起こしちゃった?」

「いや・・・」

「頭、痛くない?」

「大丈夫だ」


俺は布団の中から手を出すと、花子の手をそっと握った。
その手の冷たさが心地よくて、俺は花子の手を自分の頬に当てた。


「熱下がらないね」

「ああ・・・そうみたいだな」


俺は風邪を引いたみたいで、昨日から熱が下がらなかったのだ。


「花子、すまない」

「ううん。気にしないで・・・。それに、こうして太郎のこと独り占めできるんだもん。その方が嬉しい」

「花子・・・かわいいこと、言わないでくれ」


俺は目を閉じると、そのまま花子の腕を引っ張って抱きしめた。


「・・・少しこうしていてくれないか?」

「う、うん」


俺は花子のカラダを抱きしめながら、目を閉じるといつの間にかそのまま眠ってしまっていた。


「花子・・・?」


俺は腕の中にいたはずのぬくもりを探して、起き上がった。

すると、まだ熱が下がっていなかったので、頭がフラフラとして、そのまままた枕に頭を沈めた。


「花子・・・花子・・・」


俺はうわごとのように花子の名を呼び続けていた。

しばらくすると、花子が静かに部屋のドアを開けて、足音を立てないように部屋に入ってきた。


「起きてたの?」

「よかった・・・。花子の姿が見えないから・・・不安、だった」

「ごめんね・・・。リンゴ食べれそう?」

「ん・・・食う」

俺はカラダを起こすと、花子がリンゴを食べさせてくれた。

ウサギの形にされているリンゴを食べ終わり、薬を飲むと俺はまた横になった。

「寒くない?」

「ああ・・・少し。でも、大丈夫だ」

「私が太郎のこと・・・温めてあげる」

「・・・え?」


花子はもそもそと俺のベッドに入ってくると、俺に抱きついてきた。


「風邪、うつるぞ・・・」

「いいよ。太郎の風邪なら・・・うつってもいい」


俺は花子のうるんだ瞳を見て、ガマンができなくなっていた。

しばらくの間、花子の髪を撫でていたのだが、俺は花子のおでこに自分のおでこをくっつけると、口を開いた。



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