last summer -other side story-
[nobody else](1/99)
hayato's side story



「ねえ、颯の初恋っていつだったの?」



好奇心に満ちた目でそんなことを聞かれて、

戸惑わないワケがない。


改めて思い返せば、

淡い恋心とか、切ない片思いなんかとは、

これまで無縁の人生だったから。



「あんただって言ったらどうする?」


「ありえない。マジメに答えてよ」


けっこーマジメな答えだったんだけど。


こんな風に肩を並べて下校しながら、

他愛もない話をできる相手なんか、

今まで居なかったし。


だけどどーやら、その答えにはご不満なようで。

さっきまで好奇に満ちてた目をあからさまに疑惑の色に変えて、地面をじっと見つめてる。


「なに膨れてんだよ。」

「膨れてない。」


めんどくせー女だ、ほんと。

きっと勝手にいらねーことまで想像して、拗ねてんだろ。


「……まー、初めてと言えば――」


そこまで言いかけると、一気に大きく見開かれ、好奇心を取り戻す目。


「中3の時に…」


その反応がいちいち面白くて、思い出すフリをしながら、わざと時々溜めながら話す。


「中3!?なんか、予想外…」


「……当時の担任が――」


「…えっ!?担任の先生…?」


今度は急にドン引きしてる。


「…つーか、俺のそんな話なんか聞いてどーすんの?」


俺はこいつの過去の恋愛なんか、

気にならないといえばウソだけど、

聞いてもムカつくだけだ。何の得もない。


「知りたいんだもん。
 どんな恋愛してきたら、こんな男になるのか」




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