誰にも言えない

◎[にじゅう.](21/27)



上條は
強く私を抱き締め
深い深いキスをした


上條の舌は
いやらしく
口の中を動き
歯列や舌の裏側を
くすぐられる


「んっ………

ふうっ………んっ

んふ…………ん…」


私は、
あまりの気持ち良さに
くたくたで
甘い呻きを漏らしていた




突然キスが止まる



不思議に思っていると
上條が



「小百合
目を開けて」




言われ
目を開いたけど
上條の綺麗な瞳を
見るなり
閉じてしまった



すると
上條が言った


「だめ
開けて

俺を見て」



私は
ふるふると
首を振った


無理
恥ずかしすぎる


なのに



「開けないと
続きしないから」




なんて言われて





だから
泣きそうになりながら
必死で目を開けた



上條の
情欲に濡れた瞳と
ぶつかった



まぶたが
ひとりでに
閉じようとしていた



「ダメだって」



そう言って
上條は
キスをした



目を閉じないキスが

こんなにも
ドキドキして

こんなにも
いやらしいだなんて
知らなかった

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